【レビュー】AKGのセミオープン型モニターヘッドホン『K242HD』
6AKGのセミオープン型モニターヘッドホンである『K242HD』をレビューしてみます。
AKGのセミオープン型モニターヘッドホンである『K242HD』をレビューしてみます。
今回レビューする『K242HD』は、“AKG(アーカーゲー)”によるセミオープン型モニター用の上位ヘッドホンです。
セミオープン型ならではの抜けの良さと、高解像度再生を両立。音の細部に至るまで余さず引き出す優れた性能により、広がり感、立体感に富んだサウンドを存分に楽しむことができます。
最新デジタルソースの圧倒的な音楽情報も正確に再現。セルフアジャスタ機構を備えたヘッドバンド、ソフトタイプのイヤパッドを採用し、快適な装着感も実現。
音楽と過ごす時間を大切にした高音質ヘッドフォンです。
AKG - K242HD公式サイト より抜粋
AKGのヘッドホンは“モニター用ヘッドホン”と位置づけられており、音楽鑑賞を目的とする一般ユーザを対象とした製品ではなく、録音に使われることを対象としているためアーティスト向けの製品といえるでしょう。
また型番に含まれている“HD”という文字は、“High Defintion(高解像度)”を意味し、高解像度再生を特徴とした製品であることが分かります。
まずはパッケージからレビューしていきましょう。
『K242HD』のパッケージはとてもシンプル。
製品にエフェクトがかかった写真が貼られているわけでもなく、製品名と簡単な説明のみ書かれています。箱自体も高級感のあるものではなく、一般的に使われているボール紙です。
箱を開けると、“AKG”という文字と『K242HD』が目に飛び込んできます。
たいていのヘッドホンは、ひもか針金でパッケージに固定されていますが、『K242HD』はビニールの袋に入っているだけと簡易的な梱包です。「輸送中の振動で傷ついてしまうのではないか」と心配になる反面、袋から製品を取り出してすぐに製品を手に取れることは嬉しいですね。
箱の中には『K242HD』本体と、6.3mm変換プラグ、その他説明書しか入っていません。付属品は少ないです。
次に『K242HD』本体の外観を見てみましょう。
僕が音質以外にも気になっていたのは、その外観。この外観は好みがはっきり分かれるかと思いますが、僕はとても格好良いデザインだと思います。
イメージ写真ではなかなか高級感が漂っていましたが、実物を見ると安っぽい印象を受けます。イヤーカップ周りのクリーム色のような部分が、プラスチック素材であるからでしょう。
サイドには『K242HD』と、装着向きを間違えないために左右を示す“L”、“R”が書かれています。
『K242HD』は“セルフアジャスト”と呼ばれる機能が搭載されているため、自分の頭に合わせてヘッドバンドの長さを調整する目盛りがありません。“セルフアジャスト”については後ほどご説明します。
トップには“AKG”の白抜き文字が入っています。
『K242HD』のイヤパッドは、耳に押し当てるタイプではなく耳がすっぽり入る構造になっており、ふかふかなクッションのおかげで全く耳が痛くなりません。
さらにヘッドホンがずり落ちない程度の弱い力で耳をはさむため、圧迫感が全くありません。
『K242HD』には“セルフアジャスト”という機能が搭載されています。多くのヘッドホンは自分の頭の大きさに合ったヘッドバンドの長さに調整するため、ヘッドバンドをスライドして調整する機能があります。しかし『K242HD』にはそのような機能がなく、『K242HD』をかぶってヘッドバンドを頭に押しつけ、本体を下に引っ張るだけでヘッドバンドの長さを調整できます。バネによる調整なので、微調整も簡単に行えます。
本体は“240g”ととても軽いので、装着感に関しては高評価を与えたいです。
やはり一番気になるのは音質ですよね。
エージングをせずにクラシックを1曲聴いてみると、高音が刺さって聴けたもんじゃありませんでした。高音が刺さる以外にも低音が弱すぎる印象を受けたので、エージングは必須です。
とりあえず、100時間エージングを行った後、様々なジャンルの曲を聴いてみました。
ジャンル | ◎…向く ○…普通 ×…向かない |
---|---|
オーケストラ | ◎ |
カントリー | ◎ |
クラシック | ◎ |
ジャズ | ◎ |
ピアノ | ◎ |
ポップ | ○ |
アニメソング | ○ |
電子音 | ○ |
演歌 | ○ |
ロック | ○ |
ハードロック | × |
ヘヴィメタル | × |
『K242HD』はモニター用ヘッドフォンということもあり、色付けた音を出すのではなく、そのままの自然な状態の音を出してくれます。
良くいえば“癖がない音”なのですが、悪くいってしまえば目立った特徴がないので、低音を重視する人やドンシャリ派にとっては“つまらない”音に感じるでしょう。
『K242HD』が得意とするのは高音。
強すぎず弱すぎず、柔らかい高音を鳴らしてくれます。逆に低音が少し弱く感じますが、クラシックやオーケストラを聴く分には十分です。
逆に、ハードロックやヘヴィメタルなど、ドラムや重めのディストーションをかけたギターがメインとなるジャンルは向きません。
何より驚いたのは“音抜けの良さ”でしょう。本製品はセミオープン(半開放型)であるため、全く低音がこもらず、違和感なく音が抜けていきます。
今まで密閉型しか触れていなかったため、「なんて音抜けが素晴らしいのだ!」と感動しちゃいました(笑)
しかしセミオープンの構造上、音漏れや外音遮断性は皆無です。電車や図書館などの公共機関では他の人の迷惑になるため、使用を控えた方が良いでしょう。
ちなみに本製品のケーブルは着脱式ではないものの、無酸素銅(OFC)ケーブルを採用しています。
『K242HD』はモニターヘッドフォンですが、モニター用とは思えないできです。
最も感動したのは、先述の通り“音抜けの良さ”。正直、ここまで音がこもらずに、自然に抜けていくとは思いませんでした。
評価したい点は“長時間音楽を聴いていても疲れない”ところです。本製品自体とても軽く、柔らかなイヤーパッドと圧迫感がないヘッドバンドが装着感の良さにつながっています。
音質の良いヘッドフォンは、たいてい“聴き疲れ”しやすいものですが、『K242HD』は自然な音を出力し素晴らしい音抜けの良さのおかげで聴き疲れが全くありません。
個人的に「やべぇ!」と思ったのは、弦楽器。
アコースティックギターがメインとなる曲を聴いてみましたが、弦をはじく音などが鮮明に聞こえます。だてに“HD”という文字が入っていないわけです。
長時間音楽を聴く人、特にオーケストラやクラシック、ジャズやカントリーといったジャンルを聴く人にオススメしたい一品です。
『K242HD』はオープン価格となっていますが、店頭や多くのオンラインショップの相場は 30,000円 程度となっています。
しかし並行輸入を行っている『サウンドハウス』では1万円後半で販売されていますので、購入の際はそちらをオススメします。
音の種類の判断に困るジャンルが一つ・・・
初音ミク(VOCALOID)はアニメソング?電子音?
ボカロにはどんなヘッドフォンが合いますかね?
ボーカロイドは僕には合わないようなので、聞かないジャンルですねぇ…。
一応電子音に分類されるのかな?それならば“ULTRASONE”のヘッドホンがおすすめです。
ただこういった音響機器の音の好みは人によって違うので、実際に聞いてみてから買うのがベストです。
特にちょっと高価なヘッドホンの場合は、どんなに評価が良くても実際に聞いてから購入するべきでしょう。
今回K242HDを買おうと思っています!。Q701も聞いたのですがデザインに惹かれます。質問ですが、メガネをかけた状態だとヘッドホンはやはりしづらいのでしょうか?Q701はかなり押さえつけがあってメガネをかけづらかったので・・・
『Q701』と『K242HD』のフワフワ感は大差ない気がします。もっとも、僕は『Q701』を所持しておらず、お店で試しに装着しただけですが(汗
『Q701』はメガネをかけている方でも全く違和感ないと耳にしましたが、もし『Q701』とメガネの相性が悪いようであれば『K242HD』も同じような結果になるでしょう。
本当は試聴できる環境があれば良いんですけどねぇ…。
始めまして。
楽しく拝見させて頂いております。
カントリーやクラシックも行けつつ、R&B系もこなせる物はご存知ですか?
安いに越したことはないのですが、予算は高くても2万前後までを検討しているんですが、、、。
ご存知でしたら教えて下さい。
m(_ _)m
宜しくお願い申し上げます。
どもども!
そうですね〜…2万円前後となるとかなり限られてくる気もするので、もしその予算内で買うのでしたら『HD598』のような“万能型”が良いんじゃないかな、って思います。