少しでもコーディングするなら“コーディング用フォント”を導入しよう

プログラミングやWebデザイン時のコーディングには、“コーディング用フォント”を使いましょう。

コーディング用フォントとは？

このサイトの訪問者や僕のTwitterのフォロワーには、Webデザイナーやプログラマーを目指す人がたくさんいます。プログラマーというからにはプログラミング言語を打たねばならず、かといって、Webデザイナーはデザインだけすれば良いというわけでもなく、HTMLやCSS、場合によってはPHPやJavaScriptなどのプログラミング言語も打つ必要があります。

そんな両者の共通作業が“コーディング”なわけですが、言語の文法や使用するエディタが異なっていても、見ているものは同じ“文字”なわけです。

多くのフォントは、I（大文字のアイ）、l（小文字のエル）、1（数字のいち）やO（大文字のオー）、0（数字のぜろ）などの文字の区別がつきにくくなっています。文字1つでも間違えると正しい動作や表示を期待することができないため、これらを打ち間違えてしまわないように注意する必要があります。

そこで便利なのがコーディング用フォント。コーディング用フォントは、先ほど挙げた区別がつきにくい文字を区別がつきやすく工夫されていたり、視認性が高くなっているため、コーディングにはもってこいのフォントです。

それでは僕がオススメする代表的なコーディング用フォントをご紹介します。

OSX付属のフォント『Monaco』

Appleはハードウェアをメインとした会社ですが、ソフトウェアであるOSXにも嬉しい“こだわり”があります。OSXのフォントはジョブズが気に入ったものしか取り入れられておらず、日本語フォントは『ヒラギノ』と呼ばれる美しいフォントが用意されています。

そんなフォントにもこだわりのあるOSXですが、OSXには『Monaco』というコーディング用フォントが搭載されています。『Monaco』は、先述したようなアルファベットと数字の区別がつきやすいため、多くの人に使われているコーディング用フォントです。

OSXの『ターミナル』のフォントは『Monaco』がデフォルトになっています。

『Coda』に付属する『Panic Sans』

Webデザインに関する作業をOSXで行なっている人は、『Coda』もしくは『Transmit』というアプリをご存知ではないでしょうか。特に『Coda』はWebデザイナーの中でも有名なアプリです。

これらのアプリを開発したのは“Panic”という会社ですが、『Coda』にはPanic社が作成したフォント『Panic Sans』が搭載されています。『Panic Sans』は『Deja Vu Sans Mono』というフォントが元になっており、比較的小さな文字でも視認性が高いのが特徴です。

『Panic Sans』は『Coda』内で使用することは可能ですが、フォント自体はOSXにインストールされません。そのため他のアプリで『Panic Sans』を使用することはできません。『Coda2』の場合パッケージ内にフォントファイルが入っているので、そのファイルをOSXにインストールすれば、他のアプリでも『Panic Sans』を利用できます。

日本人には最強のフォント『Ricty』

『Monaco』や『Panic Sans』はコーディングにも使えて美しいフォントですが、あくまで欧文フォント。プログラミングにしろマークアップにしろ、基本的に言語の記述は英数字になりますが、コメントアウトや文字列の出力など、日本語を使いたい場面だってあります。エディタにもよりますが、それらのフォントを使用しているときに日本語を入力すると、他のフォントで日本語が表示されてしまいます。

そこで日本人コーダーに絶賛されているのが『Ricty』。『Ricty』は、和文フォント『IPAゴシック』をベースに、コーディングでの利用を意識して作られた“和文コーディング用フォント”です。そのため英数字だけでなく、日本語も美しいフォントです。

ここでは『Ricty』から派生された『Ricty Discord』をご紹介します。

『Ricty Discord』は日本語が美しいだけでなく、コーディング時に見分けがつきにくいアルファベットも、簡単に見分けが付くようにアルファベットが工夫されています。たとえば、Z（ゼット）や7（なな）には横線が刻まれ、|（縦棒）はl（小文字のエル）と見分けがつきやすいよう真ん中辺りで一度線が切れています。

加えて“（全角スペース）”は破線の四角形で可視化されるため、全角スペースによるコンパイルエラーに悩まされる心配もありません。

『Ricty』はWindowsでもOSXでも使用可能なTrueType形式で、また完全無料のフリーフォントではありますが、ライセンス上の問題で生成スクリプトのみの配布が行われています。したがって『Ricty』はダウンロードしてすぐ使えるわけでなく、フォントファイルを生成するための作業が必要です。

そんな『Ricty』の配布元は以下のとおり。

『Ricty』の生成方法はここでは割愛します。以下のサイトを参考にしてください。

みなさんもコーディング用フォントを導入して、快適なコーディング環境を実現しましょう！