【レビュー】『iPad Pro』前編:従来とは似て非なる、最上級iOSタブレット

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【レビュー】『iPad Pro』前編:従来とは似て非なる、最上級iOSタブレット

『iPad Pro』を購入したので、まずは本体をレビューしてみます。

ジャガアポー
シナモン
パイナポー

『iPad Pro』のシルバーモデルを買ったよおおお

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皆さんご存知の通り、iPadはAppleによるタブレット端末です。iPhoneが今のスマートフォン市場を築き上げたように、iPadは今のタブレット市場を築き上げた端末です。

iPhoneとiPadは、世界初のスマートフォン・タブレットではありませんが、これほどまで大きな市場となった要因でもあるので“市場を築き上げた”と記述しておきます。

Appleに関する記事を執筆するとき、毎回記述しているように、僕は日本Apple教の幹部を担当しています。Apple信者です。歴代のiPadすべて(『iPad 2』と『iPad mini 3』『iPad mini 4』を除く)を購入してきた僕にとって、iPadはティッシュレベルの日常品です。

パイナポー

そんなわけで、当サイトで過去にレビューしてきたiPadは、以下の通り。

今回レビューする『iPad Pro』は、iPad史上初めてとなる、13インチのiPadブランドです。『iPad Air(旧『iPad』)』ブランドは 9.7インチ 、『iPad mini』ブランドは 7.9インチ だったため、非常に大きなiPadとなります。
なお『iPad Pro』と同時に発表された『Apple Pencil』は、『iPad Pro』のみで扱えるペン型の装置で、あたかも紙とペンを扱うかのように文字や絵をかけると話題になっています。

今回のレビュー記事は“前編”と“後編”に分けたいと思います。
前編では、“軽さやスピーカー音質、寝ながら使っても疲れないのか”など、本体に関するレビューを記述します。後編では、“『Apple Pencil』の書き心地はどうなのか、イラストレータが愛用するWacom製液晶ペンタブレットの代わりとなるのか”など、『Apple Pencil』に関するレビューを記述します。

シナモン
パイナポー

後編記事、書きました。

【レビュー】『iPad Pro』後編:『Apple Pencil』は史上最強のペン…アプリ次第で液タブは不要に

追記:2015年12月05日

ちなみに「“iPad Air”ブランドと“iPad mini”ブランドどちらが良いのか?」については、『iPad Air』と『iPad mini 2』の比較記事でも記述している通り、“iPad Air”ブランドをオススメしておきます!

『iPad Air 2』よりも薄い化粧箱、半透明フィルムが採用された

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今回購入した『iPad Pro』は、ブラック・シルバー・ゴールドの3色のモデルが用意されており、僕はシルバーモデルを購入しました。去年に購入した『iPad Air 2』今年初頭に購入した『iPhone 5s』は、どちらもゴールドモデルを購入しましたが、Macとカラーを統一させるため、今回はシルバーをチョイス。

ジャガアポー

『iPad Pro』のパッケージに印刷されている商品写真は、『iPad Air 2』のパッケージと同じように、その薄さを強調する横方向からの写真が採用されています。

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『iPad Pro』のパッケージを見たとき「うっす!!」と思いました。しかし『iPad Air 2』のパッケージと比べてみると、どちらも同じ薄さでした。

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パカリ。

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Apple製品の特徴とも言える、“パッケージのフタを開けると製品が最初に見える”は、『iPad Pro』でも健在でした。
従来のiPadの梱包と異なる点として、本体を覆うフィルムが、透明の素材から半透明の素材へ変更されている点が挙げられます。

半透明素材への変更は『iPad Pro』が初めてではなく、今年の4月に発売された『Apple Watch』も、この半透明素材が採用されていました。

シナモン
パイナポー
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『iPad Pro』本体の下には、いつも通り付属品が収納されていました。付属品は、以下の通り。

  • マニュアル類
  • Lightningケーブル 2m
  • 電源アダプタ 10W
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『iPad Pro』に付属している電源アダプタは 12W タイプのもので、これは第3世代iPadから『iPad Air』までに採用されていたアダプタと同じタイプのものです。

ジャガアポー
パイナポー

第一印象は、やはり「デカイ」に尽きる

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半透明のフィルムを剥がすと、いよいよ『iPad Pro』とご対面です。

誰もが感じるであろう第一印象は「デカイ」。その一言に尽きます。
『iPad Pro』の製品写真は、インターネット上のいたるところで掲載されていますが、その大きさばかりは肉眼で見なければ分かりません。数値上の大きさや、あなたの想像以上に、『iPad Pro』は巨大なサイズです。

もしも『iPad Pro』の購入を考えているのならば、このサイズ感を知るために、店舗で実機に触れてみることを強く推奨しておきます。
しかし地方の家電量販店では、『iPad Pro』を取り扱っていないかもしれません。そこで今回は、実機に触れられない人のために、他の製品とサイズを比較してみたいと思います。

A4用紙と比較

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『iPad Pro』の上に、A4サイズのコピー用紙を置いたところ。

『iPad Pro』のサイズは 横220.6mm、縦305.7mm で、A4サイズのコピー用紙よりも少しだけ大きい程度。液晶部分は 12.9インチ であるため、実際に表示される領域はA4サイズのコピー用紙よりも一回り小さいサイズとなります。

13インチの『MacBook Pro』と比較

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『iPad Pro』のサイズに最も近いMacが、13インチの『MacBook Pro』です。

シナモン
ジャガアポー
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13インチの『MacBook Pro』の上に、『iPad Pro』を置いたところ。

『iPad Pro』本体の大きさは、13インチの『MacBook Pro』よりわずかに小さいだけなので、『iPad Pro』のサイズ感を知ることができます。

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ちなみに、13インチの『MacBook Pro』の液晶サイズは 13.3インチ であり、『iPad Pro』の液晶サイズは 12.9インチ であるため、実際に表示される領域は、この『MacBook Pro』よりも小さいサイズとなります。

パイナポー

『iPad Air 2』と比較

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初代iPadから代々受け継がれてきた 9.7インチ サイズのiPad。最新の『iPad Air 2』と『iPad Pro』を比較すると、その大きさは一目瞭然。

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『iPad Pro』は縦方向だけでなく、横方向にも大きくなっているため、表示領域の広さには期待できます。

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横向きの『iPad Pro』の上に、縦向きの『iPad Air 2』を置いたところ。

横向きの『iPad Pro』の上に、縦向きの『iPad Air 2』を置くと、いかに『iPad Pro』が大きなサイズであるかが分かります。『iPad Air 2』の縦の表示領域と、『iPad Pro』の横の表示領域はほとんど同じです。すなわち、“『iPad Air 2』を横向きにしたときにギリギリ等倍で表示される写真が、『iPad Pro』では縦向きで表示できてしまう”というわけです。

僕の手と比較

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最後に、僕の手と比較してみましょう!

パイナポー

僕の手は比較的小さく、ギリギリ『iPad Air 2』を片手でつかめる程度です。
個人的には「僕の手は一般的なサイズなのでは?」と思っていますが、僕の友人のほとんどは、片手で『iPad Air 2』をつかめているので、おそらく小さいのでしょう。

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『iPad Pro』のサイズとなると、手の大きい人でも片手でつかむことは不可能になります。こう『iPad Pro』をつかもうとする写真を見ると、さきほどの『iPad Air 2』をつかもうとする写真が、まるで『iPad mini』であるかのように見えてしまいますね。

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『iPad Pro』と『iPad Air 2』を重ね、その上に手を置くと、『iPad Pro』の大きさが写真越しでも分かるかと思います。

体感的には軽い…が、片手で持つにはツライものがある

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『iPad Pro』(Wi-Fiモデル)は 713g の重量で、これは12インチの『MacBook』の重量 920g よりも軽いことになります。Apple製品との重量比較表は、以下の通り。

製品名 重量
iPad Pro 713g
iPad 680g
iPad 2 601g
新しいiPad 652g
iPad Retinaディスプレイ 652g
iPad Air 469g
iPad Air 2 437g
iPad mini 308g
iPad mini 2 331g
iPad mini 3 331g
iPad mini 4 299g
MacBook 920g
MacBook Air 11.6inch 1320g
すべてWi-Fiモデルです。

店頭で『iPad Pro』に触れたことがある人のほとんどは「予想以上に軽かった!」と思ったことでしょう。『iPad Air 2』の2倍の重量を持つ『iPad Pro』ですが、面積が大きいため指にかかる圧力が分散され、体感的には軽く感じるはずです。

いざ購入して日常的に使っていくと、その重量に悩まされるかもしれません。バッグに『iPad Pro』を入れるなどして持ち運ぶ場合、713g という重さは気にならないでしょう。しかし、片手で持って使うには重たすぎる端末です。

僕はソファで『iPad Pro』を使っていますが、片手で持つことは少なく、テーブルにひっかける形で使っています。仰向けで『iPad Pro』を使おうとしましたが、すぐに腕が疲れてしまうため、寝ながら使う場合は横向きで使うべきでしょう。

シナモン

十分なほど薄い、『iPad Air』よりも薄い

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iPadブランドの特徴の1つでもある“本体の薄さ”。『iPad Pro』にも、薄さのこだわりが表れています。
なお、『iPad Pro』と歴代iPadの薄さは、以下の通り。

画面サイズ(世代) 名称 薄さ
12.9inch(1) iPad Pro 6.9mm
9.7inch(1) iPad 13.4mm
9.7inch(2) iPad 2 8.8mm
9.7inch(3) 新しいiPad 9.4mm
9.7inch(4) iPad Retinaディスプレイ 9.4mm
9.7inch(5) iPad Air 7.5mm
9.7inch(6) iPad Air 2 6.1mm
7.9inch(1) iPad mini 7.2mm
7.9inch(2) iPad mini 2 7.5mm
7.9inch(3) iPad mini 3 7.5mm
7.9inch(4) iPad mini 4 6.1mm
すべてWi-Fiモデルです。
シナモン
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『iPad Air 2』(左)と『iPad Pro』(右)。

『iPad Pro』の薄さは 6.9mm で、これは『iPad Air 2』や『iPad mini 4』より厚く、『iPad Air』や『iPad mini』よりも薄いことになります。

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『iPhone 5s』(左)と『iPad Pro』(右)。

『iPhone 5s』の薄さは 7.6mm であるため、『iPad Pro』は『iPhone 5s』よりも薄いことが分かります。

僕は、カメラが飛び出る設計を妥協してまで、iPhoneを薄くするAppleの薄型化正義主義に疑問を感じていますが、「タブレットは薄くなれば薄くなるほど正義」だと思っています。ただ、数値としても体感としても、『iPad Pro』の薄さに不満はまったくありません。
もしも『iPad Pro 2』なる次期『iPad Pro』が開発されているのであれば、薄型化よりも大幅な軽量化に注力してもらいたいところ。

ジャガアポー

カメラ性能や指紋認証は、従来通り

残念ながら『Touch ID 2』は搭載されず…

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『iPad Air 2』同様、『iPad Pro』にも、ホームボタン兼指紋認証の『Touch ID』が搭載されています。残念ながら『iPad Pro』に搭載されているものは『Touch ID 2』ではありません

『Touch ID 2』は『iPhone 6s』及び『iPhone 6s Plus』に搭載されている指紋認証機能付きのホームボタンで、『Touch ID』の後継機能にあたります。『Touch ID 2』は認識精度が大幅に向上され、これを搭載したiPhoneの場合、ホームボタンを軽く押すだけで指紋認証が完了してしまうほど高速に認識します。

ジャガアポー

カメラやボタン周りは、『iPad Air 2』と同等

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2011年に販売された2世代目のiPad『iPad 2』から、iPadにカメラが搭載されるようになりましたが、『iPad Pro』にもカメラは搭載されています

アウトカメラは800万画素の性能を持ち、超高速に連写できる“バーストモード”も利用できます。720p HDビデオ撮影にも対応し、顔検出やパノラマ、HDR撮影も可能。
インカメラは120万画素で、アウトカメラ同様、720p HDビデオ撮影やバーストモードを利用できます。

アウトカメラ、インカメラどちらとも『iPad Air 2』と同等の性能を持つことが分かります。

シナモン

画面向き固定スイッチ(ミュートスイッチ)が搭載されていない点も、『iPad Air 2』と同様です。

Appleのロゴは、従来通り鏡面反射加工されている

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iPadだけでなくiPhoneでも共通している部分ではありますが、『iPad Pro』の背面にはAppleのロゴが配置されています。このAppleのロゴは鏡面反射加工されており、従来のiPadと同様です。

ちなみにではありますが、このロゴ部分は、他のアルミ面と比べてほんの少しだけ深掘りされています。これによってiPadを引きずることがあったとしても、ロゴマークに傷が入りにくくなっています。この仕様は『iPad mini 2』と『iPad Air』から採用されました。

パイナポー
ジャガアポー

初めて搭載された、キーボード接続コネクタ

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『iPad Pro』には“Smart Connector”と呼ばれる、キーボード接続用コネクタが側面に搭載されています

今までのiPadでキーボードを使用するには、Bluetoothでワイヤレス接続する必要がありました。『iPad Pro』と共に登場した『Smart Keyboard』は、この“Smart Connector”と物理的に接続させるだけでペアリングが完了するため、Bluetoothを用いる必要はありません。
また、“Smart Connector”は電力を供給してくれるため、キーボード側にバッテリーを搭載させる必要がなくなります。

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『Smart Keyboard』は、水や汚れに強い耐性を持っており、従来の無線キーボードとは異なる機構が採用されています。
僕はiPadで長文を入力することがないため『Smart Keyboard』を購入していませんが、『Smart Keyboard』はiPadのカバーとしても使えるため、「iPadでキーボードを使いたい!」という人は良い製品でしょう。

なお、『Smart Keyboard』は Apple Online Store にて 19,800円(税抜き)で販売されており、かなり高価なキーボードとなっています。

シナモン

初の4スピーカー搭載!外部スピーカーを使う必要がないほど高音質

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ぱっと見は『iPad Air 2』や『iPad mini 4』と代わり映えしない『iPad Pro』ですが、圧倒的な従来との差を感じられる部分がスピーカーです。

iPad ProのスピーカーはHi-Fiであるだけでなく、とてもインテリジェントです。低音域の周波数は4つのスピーカーすべてから出力されますが、最上部の2つのスピーカーはより高い周波数を優先します。これらのスピーカーは、デバイスの向きが縦か横かも自動的に認識します。だから、iPad Proをどんな向きで持っても、いつでも鮮明なバランスの良いサウンドが広がります。

『iPad Pro』は4つのスピーカーを搭載しており、Lightningポート側に2つ、スリープボタン側に2つ配置されています。『iPad Air 2』などでもLightningポート側に2つスピーカーが配置されていますが、『iPad Pro』の場合は、Lightningポートから大きく離れた位置にスピーカーが配置されています。

ジャガアポー
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この4つのスピーカーのうち、上部2つのスピーカーは高音域の出力を優先する、ツイーター的役割を果たします。さらに、『iPad Pro』の向きに合わせて、高音域出力を担当するスピーカーの位置も自動的に切り替わります。

スピーカーの音質は今までのiPadと比べものにならないほど高音質で、通常使用では外部スピーカーを使う必要がないほど。ステレオ感は驚くほど増し、最大音量で音を出力しても、一切音割れが生じません。

シナモン

壮大な画面領域…活かすには、アプリの対応待ちが必要か

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『iPad Pro』を縦向きで置いたところ。

『iPad Pro』に触れて「でけぇ!」と思う要因は、その画面領域の広さにあります。従来の9.7インチのiPadは 1024x768(Retina:2048x1536)という解像度を持っていました。対して『iPad Pro』の解像度は 1366x1024(Retina:2732x2048)

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縦向きの『iPad Pro』の上に、縦向きの『iPad Air 2』を置いたところ。

物理的なサイズだけでなく解像度も大きくなった『iPad Pro』を数時間使い、そのあとに『iPad Air 2』に触れると、あたかも『iPad mini』であるかのような錯覚に陥ります。

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『iPad Pro』を横向きで置いたところ。

もちろん『iPad Pro』はRetinaディスプレイに対応しています。またフルラミネーションディスプレイを採用しているため、映し出される写真や映像は、驚くほどキレイ

フルラミネーションディスプレイは、5KのiMacや『iPad Air 2』で採用されているディスプレイで、ディスプレイとそれを覆うカバーガラスの隙間を極限まで削ったものを指します。映し出されるものがより前面に表示されるため、迫力は非常に増します。

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横向きの『iPad Pro』の上に、横向きの『iPad Air 2』を置いたところ。

横向きは、『iPad Pro』のサイズの恩恵を最も受けられる向きでしょう。タテヨコどちらも表示領域が拡大化されているため、『iPad Air 2』よりも大幅に、一度に得られる情報量が増えます。

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『iPad Pro』の画素ピッチ(1インチあたりに含まれる画素数)は 264ppi で、これは『iPad Air 2』と同様です。しかし、『iPad Pro』に表示されるアプリアイコンは『iPad Air 2』よりも大きく見えます。ホーム画面に配置されるアプリアイコンの間隔は非常に広く見え、「ださい」と思ってしまうかもしれません。

Appleが名付けた“Retinaディスプレイ”の厳密な定義は、ただ単に高解像度なディスプレイというわけでも、画素ピッチが非常に高いディスプレイというわけでもありません。デバイスとそれを見る人間の目には、一定の距離があります。
Retinaディスプレイはこの距離も考慮されているため、同じ画素ピッチだからといって、表示内容の物理サイズが同じとは限りません。

例えば『iPhone 6s』の画素ピッチは 326ppi で「Retinaディスプレイ搭載!」と謳われていますが、『iPad Pro』の 264ppi も「Retinaディスプレイ搭載!」と謳われています。これは、iPadよりも小型なiPhoneの方が、液晶画面と目の物理的な距離が近いため、よりピクセル濃度(画素ピッチ)の高さが必要となるからです。

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『iPad Air 2』で当サイトを表示したところ。

Apple純正の『iPad Pro』向けスタイラスペン『Apple Pencil』の登場により、スケッチや手書きノート目的で『iPad Pro』を購入する人をよく目にしますが、ネットサーフィンやメールなど、従来のiPadで行われていたことも快適に行えます。

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『iPad Pro』で当サイトを表示したところ。

何せ画面領域が広いため、『Safari』によるWebブラウジングに関しては、ピンチインによる拡大を必要とせず、PCと同じレイアウトを表示できます。
ただし、Webサイトによっては『iPad Pro』の解像度であっても、スマートフォン用のレイアウトを表示してしまうようになっているため、“PC用レイアウトが正常に表示されるか否かは、Webサイト次第”といったところでしょうか…。

ジャガアポー
パイナポー

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『iPad Air 2』で『App Store』を表示したところ(クリックで拡大)。
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『iPad Pro』で『App Store』を表示したところ(クリックで拡大)。

もちろんWebブラウジングだけでなく、他のアプリでも作業領域の広さによる恩恵を受けられます。例えば『App Store』では、一度に表示されるアプリやバナーの数が大幅に増えるため、目的のアプリを探しやすくなります。

ただし注意したい点としては、『iPad Pro』のサイズに対応していないアプリの場合、無理矢理引き伸ばされてアプリが拡大表示されてしまうため、汚く見えてしまうところ。この問題は『iPhone 6』が販売されたときと同様です。

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『iPad Pro』のキーボード(クリックで拡大)。

『iPad Pro』の利点の1つとしては、ソフトウェアキーボードにたくさんのキーが表示されるようになった点が挙げられます。iPadを使っていて数字を入力したいとき、今までは数字キーを表示させるキーを押して、キーを切り替える必要がありました。しかし『iPad Pro』のソフトウェアキーボードは、パソコンのキーボードと同じように、最上部に数字キーが配置されています。

このキーボードで1つ不満な部分が、従来のiPadのソフトウェアキーボードとキー配列が微妙に異なる点です。Returnの上に配置されたことによって、文字を削除するDeleteの位置が今までより遠くなりました。

ジャガアポー
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『iPad Pro』で最適化されていないアプリを表示したところ(クリックで拡大)。

『iPad Pro』の解像度に対応していないアプリは、引き伸ばされて汚く表示されるだけでなく、先述したキーボードが表示されない欠点も存在します。
このようなアプリの場合、従来のiPadで表示されたキーボードが表示されてしまいます

『iPad Pro』の作業領域やキーボードを活かすには、しばらくはアプリの対応待ちが必要になるでしょう。

シナモン

総評:作業領域には大満足だが、重さが最大の難点

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この総評は、『Apple Pencil』を考慮していない評価です。
『Apple Pencil』の購入を考えている人は、あわせて後編の総評もご覧ください。

『iPad Pro』の評価できる点は、以下の通り。

  • 広大な作業領域
  • 光が反射しにくい美しいディスプレイ
  • 十分な薄さ
  • 外部スピーカーが不要なほどの高音質スピーカー搭載
  • 従来のiPadでできないことがない

なんと言っても一番の評価ポイントは、その作業領域にあります。ただ単に作業領域が広いだけでなく、液晶画面の品質や薄さにもこだわりがある点は、顧客満足度の高いApple製品ならではですね。今までのiPadでまったく改善されてこなかった、低品質のスピーカーも大幅に改善されました

『iPad Pro』だからといって『iPad Pro』の解像度に対応していないアプリを使えないわけではありませんし、今まで通りiPhoneアプリも(表示領域は非常に小さくなりますが)起動できます。9.7インチ、7.9インチ問わず、iPadユーザであれば何も考えずに移行できる点は嬉しいところです。


対して、不満な部分は以下の通り。

  • “どこでも手軽に使える”には、ほど遠い重さ
  • 『iPad Pro』の解像度に最適化するまで、アプリの対応を待つ必要あり
  • 爆発的普及を期待できないほどの高価な価格設定

本文でも述べたとおり、『iPad Pro』の重量は“店頭で軽く触れる分には軽く感じるかもしれないが、長時間使うには重すぎる”といった感じです。『iPad Pro』でTwitterを見るときも、片手ではなくヒザの上にのせています。

最も不満な部分は、その価格です。
僕も(ハードウェアではないものの)エンジニアの端くれではあるので、『iPad Pro』を開発するにあたり様々な技術課題があり、それを解決するために費やした時間や研究費が莫大であることも想像できます。「結局iPadを大きくしただけじゃん」と言われていますが、大きくするだけでも、多くの困難があることも想像できます。
しかし、外観や体験が従来のiPadと変わらないことから、“iPadをただ大きくしただけ”と感じてしまうのです。iPadをただ大きくしただけで、Macを買えてしまうほど高価な価格設定になっているため、手軽に買えない製品となっています。

外観や体験が従来のiPadと変わらないことは、ユーザに対して優しい配慮である一方、こういった思わぬネガティブな方向へ流れてしまいます。“Pro”と名乗っている以上、すべてのユーザを対象にしているわけではないと思いますが、せっかくの素晴らしい製品なので「パソコンが苦手な人から年配者まで広く普及する価格設定にしてほしいなあ」と思いました。

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『iPad Pro』は従来のiPadと同じようで、異なるiPadです。画面が大きくなるだけで、何をするにあたっても恩恵をもたらしてくれます。この画面の大きさは写真や数値だけでは想像しづらいもの。
例え歴代iPadすべてに触れてきたApple信者であったとしても、購入を考えている人は、店頭で触れてみることを強く推奨しておきます。

『iPad Pro』は、Amazon.co.jp にて 120,000円 前後で販売されています。より大きなiPadを欲している人や、iPadをノートパソコン代わりに使っている人は、『iPad Pro』の購入を考えてみてはいかがでしょうか。

あとがき
ジャガアポー
シナモン
パイナポー
ジャガアポー
シナモン
パイナポー
ジャガアポー
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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ゲゲゲのゲスト

やっぱり買ってましたか…
後編、期待せずに待ってます

ジャガアポー

 期待して待っていてクダサイ!!

みくらさんさんか

まだiPadProの購入を迷っている者として、とても参考になる記事でした。
やはりネックは重さですね。もう少し軽くなったら旅行にも持ち歩けるのですが……。正直、そこで必要な要素が満たされるなら、値段は自ずとクリアできる課題だと考えます。
長文レビュー、お疲れ様でした。後編を楽しみにしています。

ジャガアポー

 持ちあること自体は問題のない重さだと思いますよ!ただやっぱり、手で持ったときに重さが気になりますね…。
『iPad Pro 2』に期待ですね!

LGA774

あれ?
iPad Pro は、確か iPhone 6s やレビューラッシュ(笑)と共に月光蝶・・・無かった事にしたんじゃ無かったっけ?

てか、レビューラッシュ(笑)終わって無かったぢゃん!?

さとうさん

『iPad Pro』やっぱりいいですねー!!高いけど。。
固有名詞を『』で囲うポリシー、私も真似させてもらってます。
『OS X』の「日本語IM」も Shift + 「 で『が入力できたんですね!最近『Google日本語入力』から変えて困ってました(笑)

ジャガアポー

 おお、日本語IMのショートカットキーは知りませんでした…!
僕はずっと『ATOK』を使っています。『ATOK』がライブ変換機能を備えたらなあ…。

さとうさん

『ATOK』でしたか〜。
『GoogleIME』は見た目が『OS X』にあっておらず、別のIMにしようと思ったのですが『ATOK』はあまり好きになれずやめました(笑)
他にもライブ変換機能搭載して欲しいですねー。

ひらくた

物凄く読み応えあるレビュー記事でした…!お疲れさまです!
実機写真の背景の『MOXBiT』イラスト、可愛らしいですね~
後編楽しみにしています!

ジャガアポー

 ありがとうございます!
 注目度の高い製品だけに、詳細部分をお伝えすべきかなと思いまして…。いやー、毎度のコトながら、レビュー記事の執筆時間を減らしたいです(写真撮影含め、8時間)。

Dー04

Apple Pencil の性能がすごく気になっているので絶対に後編書いてください。

ジャガアポー

 お任せください!

ゲゲゲのゲスト

やっぱり買っていましたかー
いつかレビューすると思っていました
次の別製品のレビューも期待してますね!

ジャガアポー

 アザス!!
だてに信者やってませんよ〜!

jun

長文お疲れ様でした。
これだけ長くて後編まであるのはiPad pro はそれだけ魅力があるということなのかな?

ジャガアポー

 もちろんです!ぜひ買いましょう!

パタ

iPad ではよく動画を見るので、大画面と音質が改善されたのはうれしいです。
が、9万5千円はちょっと高いですね。。。

ジャガアポー

 まあ、問題は価格ですよね。万人向けの製品ではないにせよ、もうちょっと安くして欲しいかな…。

ゲゲゲのゲスト

後編期待しています。

ジャガアポー

 お任せを!!

れん

後編のApple Pencilのレビュー楽しみに待っています!
個人的にはApple PencilがiPad AirやiPad miniにも対応して、iPhone版でも登場したらいいのにな〜と思っています(笑)

ジャガアポー

 おそらく次期『iPad Air』や『iPad mini』、そしてiPhoneは『Apple Pencil』に対応するかと思います。最近のスマートフォンやタブレットは、機能向上の面で頭打ち状態ですから、AppleがiPhoneやiPadを買い換えさせるためには『Apple Pencil』対応以外選択肢はないかと…。
 もしかしたら、無印iPhoneとPlusのiPhoneを差別するために、『iPhone 7s Plus』にだけ『Apple Pencil』に対応するかもしれませんね!

ゲゲゲのゲスト

本音を言ってしまうとやっぱりOS Xをのせて欲しかったと思ってしまうのですが、
アプリによってはかなり化けるんじゃないかなと期待しています。

ジャガアポー

 まあ、Apple(ジョブズ)の思想的に、iPadにOS Xが搭載されることはないでしょうねー…。
iOSだからこそサクサク動きますが、OS Xを搭載させるとなると、より性能が必要になりますし、今よりも重く分厚くなるでしょう。

ゲゲゲのゲスト

逆にMacBookにA8A9あたりを載せてみるのは面白そう!
(MacBook Airの頃にそういう噂話もありましたが)
iPad Proのベンチマーク見る限り、もう不可能ではないし性能的に不足もなさそうだし、何より最初から低電力低発熱設計なのでMacBookにもってこいなのでは?笑

ジャガアポー

 残念ながら、CPUが代わるとOSの設計がガラリと代わってしまい、ほとんどのアプリが使えなくなってしまいます。その点から、iOS向けのプロセッサが採用されることはないかと…。
また『A9』プロセッサは従来より飛躍的に性能が向上しましたが、マルチスレッド(複数アプリ)の処理に関しては、やはりIntelのプロセッサの方が圧倒的にパフォーマンスが高いという…。

レラーシカニー

現行のiPadシリーズにはゴールドがよく似合いますね。僕は発表当初は要らないだろうと思っていたのですがいざ販売開始されると欲しくなってしまって・・・
Apple製品には魔力がありますね!(笑)

ジャガアポー

 ゴールド良いですよね〜!
僕は結局シルバーに戻っちゃいましたが…。

ちわいず

apple製品がポリカーボネート主体からアルミ主体に変わったのもリサイクルや製造過程での環境汚染を考慮してだとかなんとか言ってましたっけ?思い出せない!

ゲゲゲのゲスト

最初の全てじゃないのくだりのところのiPad mini 4
を買ったことは追記しないのですか?

ジャガアポー

 当時の状況を述べたものなので、追加はしないことにします!今後、iPadを購入するたびに記事を更新していくのは大変なので…。

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