【レビュー】スマートに財布を持ち歩こう！“薄さ”は正義であると感じられる『abrAsus 薄い財布』

薄い財布がどれだけ便利なのかを知るために、abrAssusの『薄い財布』を買ったのでレビューしてみます。

iPhoneよりも薄いと信じたい『abrAsus 薄い財布』

今回ご紹介する『薄い財布』は、“abrAsus（アブラサス）”による財布です。

当サイトでは、PCやガジェットに関する製品をレビューすることが多いわけですが、今回の『薄い財布』は、デザインや使用感において満足できた製品なので、レビューしたいと思います。
ちなみに『薄い財布』は、2013年のグッドデザイン賞を受賞しています。

3枚で済ます、開封の儀ィ！

はい、ドーン！

アブラサス！

フゾクヒンデ、ゴザイマス！

素材は値段相応なカンジ

『薄い財布』には、執筆時現在、下に示すようなカラーモデルが用意されています。

• ブラック（Black）
• チョコ（Choco）
• キャメル（Camel）
• ネイビー（Navy）
• ダークグリーン（Dark Green）
• ライトグレー（Light Gray）
• ブラック×ターコイズ（Black Turquoise）
• チョコ×ベージュ（Choco Beige）

今回、僕はキャメル（Camel）というカラーモデルをチョイスしました。キャメルは最も無難な色合いではあるものの、高級感とカジュアル感が両立されており、若者からオッサンまでの幅広い年齢層にピッタリだと思います。

『薄い財布』は、国産のエンボスレザー（型押し天然牛革）を使っているとのことで、それなりの高級感はあります。値段以上に高級感溢れる素材であるかは微妙なところなので、素材を重視する人は避けるのが吉です。

“abrAsus”のロゴはダサくないため、財布にロゴが刻まれていても違和感がないどころか、むしろアクセントになって良いカンジ。

ファスナーレス、コイン入れ…薄さを実現するための様々なこだわり

何も入っていない『薄い財布』の薄さは、上の画像の通り。

『薄い財布』は、よくある2つ折りの財布です。財布を開くには、画像右側の小銭入れに引っかかっている部分を横にスライドして開く必要があります。

この構造は薄さを実現するための“こだわり”の1つ。財布で一番膨らみやすい部分は小銭入れです。『薄い財布』では、財布をたたんだときに、小銭入れとその他の部分が重ならないような構造になっているため、財布が膨らまないようになっています。

上の画像は、『薄い財布』を開いた状態です。左側からお札入れ、カード入れ、小銭入れとなっています。
ちなみに、画像内の白いカードは『薄い財布』に最初から入っているカードで、説明書のようなモノ。

小銭入れはファスナー式ではなく、ボタンホック式。画像を見ると「全然小銭入らなさそう…」と思うかもしれませんが、最大15枚までの小銭が入る設計になっています。以下の小銭を入れることによって、999円ピッタリ入るとのこと。

• 500円玉 × 1
• 100円玉 × 4
• 50円玉 × 1
• 10円玉 × 4
• 5円玉 × 1
• 1円玉 × 4

どの程度小銭が入るかは、後述します。

このボタンホック部分も薄さを実現するための“こだわり”の1つ。小銭入れ部分でボタンホックを採用している多くの財布では、フタの中央部にホックが付けられています。小銭入れは中央が最も膨らみやすいようで、『薄い財布』ではホックを左右2箇所に設けることによって、中央が膨らんでも財布全体としての膨らみを抑える設計になっています。

カード入れは、いたって普通のカード入れに見えますが、ここにも“こだわり”があるようです。
カード入れの切れ込みは2箇所設けられているため、両手でカードを取り出すことができ、取り出しやすい設計になっています。また、名刺のような小さなカード状のものも、取り出しやすくなっています。

カードは5枚まで入ると説明されていますが、よほど分厚いカードでない限り7枚まで入りました。しかしカードを7枚も入れると、ずいぶんギッチギチになってしまうため、取り出しにくくなります。取り出し安さを優先するのであれば、5枚までに抑えておいた方が良いでしょう。

多くの財布のお札（さつ）入れは、横から入れるタイプを採用していますが、『薄い財布』はお札を挟むように入れるタイプを採用しています。
画像手前にある2つの押さえフタによって、「お札が財布から飛び出してしまう…」なんていう事態は起きないでしょう。

この2つの押さえフタの形と、先ほどの財布の2つの切れ込みはピッタリ一致するような設計になっており、財布を折りたたんだとき、財布の革が重なることによる財布の膨らみを防ぐようになっています。

お札入れの押さえフタをめくると、隠しポケットが目に見えます。分厚いモノを入れると財布が膨らんでしまいますが、開発者による「鍵を入れることを想定している」とのこと。

『薄い財布』は本当に薄いのか？iPhoneと比較してみた

財布を薄くするための、数々の“こだわり”が目に見える『薄い財布』。「実際、どのくらい薄いの？」と気になる人もいると思います。
そこで今回は、手持ちの『iPhone 5s』と薄さを比較してみることにしました。まずは『薄い財布』の中に何も入れていない状態で比較したいと思います。

『薄い財布』は、まだ本気を出していないのでiPhoneよりも分厚く見えますね。仕方ありません。

本気をだすとiPhoneよりも薄くなります。

お金を入れても分厚くならない設計は、果たして…

『薄い財布』の“こだわり”のほとんどは、「○○を入れても分厚くならない〜」と謳うものばかりです。「じゃあ実際に、お金を入れても分厚くならないのかい？」と気になっちゃいますね。

ということで、手持ちの現金やカードを『薄い財布』に入れてみました。

『薄い財布』にお金を入れた状態で横から撮影してみました。お金を入れなかった状態とほとんど厚さが変化していないことが分かります。小銭部分は少し膨らんでいますが、先述したように『薄い財布』を折りたたんでも小銭とお札入れが重ならないため、財布全体としての厚みに影響ありません。

『薄い財布』は本当に薄いのか？iPhoneと比較してみた 〜2回戦目〜

それではiPhoneとの薄さ対決、2回戦目といきましょう！
1回戦目ではiPhoneに大差をつけて勝利した『薄い財布』。今回はハンデとして『薄い財布』にお金を入れた状態で、薄さ対決をしたいと思います。

まずは様子見として、本気を出していない『薄い財布』とiPhoneを比べてみましょう。ま、iPhoneの方が薄く見えるのは当然です。

はい勝った！！

総評：“サブの財布”として使うならば、必須と言えるレベルなのでは？

『薄い財布』をメインの財布として、ここ数週間使ってきました。使ってきた中でデメリットだと感じられた部分は以下の通り。

• 小銭をたくさん収納できない
• 小銭を入れにくい
• ポイントカードを収納できない
• 財布を持っている感覚を忘れる

『薄い財布』を使い始めて、最もデメリットだと感じる部分は小銭周りでしょうか。財布を膨らます最大の原因は小銭であり、財布を薄くするには、それなりに小銭周りを妥協しなければいけません。
『薄い財布』の小銭ポケットは、最大15枚の小銭が入るよう設計されていますが、やはり収納数の少なさを感じます。特に不便だと感じるのは、レジでお釣りとして小銭をもらうとき。『薄い財布』の小銭ポケットは小銭を並べて入れなければ膨らんでしまうので、小銭をもらうときにチマチマと小銭を並べて入れる時間はありません。

カード入れも最大5枚と少なめです。これは“本当に必要なカードのみを持ち歩く”という思想で設計されたので、5枚という数字は妥当なところではあります。“本当に必要なカード”としては、運転免許証や保険証などの本人確認類、クレジットカード、駅の定期券などが挙げられますが、これだけで5枚うまってしまいます。
つまり、結局のところ、お店のポイントカードを持ち歩くことは難しく、生活必需品を大量に購入するショッピングなどでは向かないでしょう。

財布を持っている感覚を忘れるのは、メリットでもありデメリットでもあります。購入当初は、あまりにも財布が薄いので、身につけているか不安になることがありました。その不安に慣れてしまうと、今度は「気付かないうちに財布を盗まれてしまうのではないか」と、また別の不安を心配するようになってしまいます。
現金をあまり持ち歩かない僕は、大きなデメリットだと感じていませんが、心配症な人はとことん心配するかもしれません。

デメリットに対し、『薄い財布』のメリットは以下の通りです。

• お尻のポケットに財布を入れた状態で座れる
• 小銭を取り出しやすい
• ファッション性がある

今まで僕が使っていた財布はパンパンに膨らんでいて、ジーンズなどのお尻ポケットに財布を入れると、お尻がモコッと膨らんでしまいました。お尻ポケットに財布を入れた状態で座ると、非常に座り心地が悪いという問題点があったわけです。自宅でも出先でも、よく座る僕にとっては大きな問題でした。
『薄い財布』はとても薄いので、お尻ポケットにもスポッと入りますし、その状態で座っても全く違和感がありません。これは本当に快適です。また、先ほどのデメリットとして“盗まれる心配が増える”を挙げましたが、お尻のポケットが深いズボンであれば、手を奥に突っ込まない限り盗まれる心配はないと思います。

デメリットの“小銭を入れにくい”という点に対し、メリットに挙がるのは“小銭を取り出しやすい”といった点です。
常に小銭を整理して入れなければいけないということは、小銭を取り出すときは整理された小銭を取り出すことになります。そりゃ、小銭は取り出しやすくて当然です。

ファッション性がある点も評価ポイントの1つ。高級革財布のような、スーツと似合わせる必要がある場面ではイマイチかもしれませんが、カジュアルに決めたいときはオススメできる財布です。

総評としては、“サブの財布”としてならば大活躍するといった感じでしょうか。

メインの財布として使うには、あまりにも収納できるカードや小銭が少なすぎます。家電などの高価な買い物に出かけるときはオススメできない財布です。
逆にサブの財布として使うには、なんとピッタリな財布なのでしょう。お散歩や簡単なランチ、デート、ちょっとした写真旅などにも向いている財布です。

僕が『薄い財布』を持ち歩くときは、メインの財布から必要なカードや現金を『薄い財布』に移してから出かけています。そのため、こういった行為に対して「めんどうくさい」と感じてしまう人には向かないかもしれません。逆に、それさえ許すことができれば、非常に便利で使い勝手の良い財布だと思えるでしょう。

abrAsusの『薄い財布』は、Amazon.co.jp にて 15,000円 程度で販売されています。
機能性や高級感の割には少し高価な財布ですが、高級財布では体験できない“薄さ”は『薄い財布』ならではの特徴です。興味のある人は、ぜひ購入してみてください。