高画質ゲームをプレイできるか？『iMac late 2012』全モデルのグラフィック性能を比較してみた

『iMac late 2012』で採用されているそれぞれのGPU性能を調べてみました。

『iMac』に搭載されているグラフィック性能は良いものなのか？

27インチ『iMac』が発表された当時のGeForce製モバイル向けGPUのウルトラハイエンドモデルは『GTX680M』でした。しかし27インチ『iMac』ではオプションとして『GTX680MX』という“X”付きモデルが搭載されています。『iMac』以外で『GTX680MX』を搭載しているパソコンはなく、『GTX680MX』は『GTX680M』とどう違うのか、デスクトップ向けGPUとどの程度の性能差があるのかなどの情報が不足しています。

そこで今回は『GTX680MX』がどの程度の性能なのかを調べてみました。また、ついでに『iMac late 2012』で採用されているGPU『GTX675MX』『GTX660M』『GT650M』『GT640M』についても調べてみました。

『3DMark11』でのスコア、『GTX680MX』は『GTX580』を凌ぐ

『GTX680MX』『GTX675MX』『GTX660M』『GT650M』『GT640M』の5つのGPUのベンチマーク結果を比較してみます。

GPU性能を測るベンチマークアプリはたくさんありますが、特に使われている『3DMark11』というアプリでの測定結果を比較してみたいと思います。

以前までモバイル向けウルトラハイエンドモデルであった『GTX680M』と1世代前のモバイル向けウルトラハイエンドモデルの『GTX580M』も比較対象に含めています。

次に、最新のデスクトップ向けウルトラハイエンドGPU『GTX680』と最新のデスクトップ向けミドルエンドGPU『GTX660Ti』、1世代前のデスクトップ向けウルトラハイエンドGPU『GTX580』を、27インチ『iMac』の上位モデルに搭載されている『GTX675MX』と『GTX680MX』の2つと比較してみます。

次に2012年モデルの『Mac mini』や『MacBook Air』に搭載されている『Intel HD Graphics 4000』というGPUと、『iMac』に搭載されているGPUを比較してみます。『GTX680MX』や『GTX675MX』との比較結果は目に見えているので、今回は比較対象から除外します。

この結果から、下位モデルの21.5インチ『iMac』であってもグラフィック性能は、『Mac mini』や『MacBook Air』より3倍ほど優れていると言えます。

また、2012年モデルの15インチRetinaディスプレイ搭載『MacBook Pro』には『GT650M』が搭載されていることから、『MacBook Pro』のグラフィック性能は『iMac』の最下位モデルよりも高いことが分かります。

3Dゲームを高画質でプレイするなら『GTX680MX』は必須

次は3Dゲームのベンチマークアプリを使って性能を測ってみたいと思います。
ベンチマークアプリの対象としたものは、2012年で“史上最高画質”とも言われたFPSである『Crysis2』と、『BattleField3』。

画質はアンチエイリアス処理などを最高まで引き上げた“Ultra”を使用し、解像度はFullHD（1,920x1,080）で測定しました。また『Crysis2』はDX11のパッチを適用したものを使用しています。

『3DMark11』では『GTX580』より『GTX680MX』の方が数値は上でしたが、実際の3Dゲームのベンチマークとなると、『GTX680MX』より『GTX580』の方が優れている結果になりました。『Intel HD Graphics 4000』では最高画質でプレイすることは不可能で、“中画質”程度の画質設定でやっとプレイできるほどです。

FPSのようなリアルタイム性が高いゲームでは、上記数値が60以上ならば快適にプレイできる程度で、上記数値が30は最低限の環境とも言われています。そのため『GTX660M』以下の環境、すなわち2012年の27インチ『iMac』においては、最上位モデル以外のモデルで最高画質をプレイすることはオススメできません。

また『GTX680MX』と『GTX675MX』との性能差が大きく、特に『iMac』が搭載する『GTX675MX』はVRAMが1GBしか搭載されていないため、『iMac』でゲームをプレイするならば『GTX680MX』は必須とも言えます。

さらに今回の3Dゲームによる性能測定はあくまでFullHDでおこなったため、27インチ『iMac』上でフルスクリーンでゲームをプレイすると、さらに快適性は低下します。

まとめ：21.5インチ『iMac』のグラフィック性能は期待しないで

以上の結果をふまえると、21.5インチの『iMac』のグラフィック性能は期待しない方が良いです。最新の3Dゲームを最高画質でプレイすることは不可能で、低〜中画質でのプレイが推奨されるでしょう。少し前のゲームならば、“高画質”でのプレイが可能かと思います。

もし最新の3Dゲームを高画質でプレイしたいのであれば、27インチ『iMac』のオプションである『GTX680MX』の搭載が必須となります。ただし快適にプレイできるのはFullHDかつ、“高画質”設定となります。“最高画質”でもプレイできないことはありませんが、60fpsを常に下回る環境ではあまりオススメできません。

これらの評価はあくまでゲームプレイを前提としたものです。ネットサーフィンやメールチェック、『Youtube』や映画の再生程度ならば、21.5インチの『iMac』の下位モデルでも何ら問題ありません。

またゲームを“楽しむ”程度ならば良いものの、プロゲーマーを目指すような“ガチ”でゲームプレイするならば『iMac』は向きません。『OSX』はOSレベルでマウスの遅延が生じる致命的なバグを持っています。『BootCamp』を用いて『Windows』をインストールすることも可能ですが、ドライバ周りもあまり褒められたものではないです。『iMac』のレビューでも書いた通り、『iMac』の液晶は非常に綺麗であるものの、応答速度がとても遅いです。コンマ1秒が命取りになるようなゲームでは耐え難いレベルでしょう。

『Photoshop』や『Premier Pro』などの静止画、動画を扱うアプリを多用する人は、『GTX675MX』は必須となるでしょう。ただし、予算が許すのであれば『GTX680MX』を強くオススメします。

よって『iMac late 2012』のグラフィック性能のまとめは…

• 最新ゲームをプレイしたければ27インチ一択
• ゲームプレイはあくまで“楽しむ”程度に限る
• 画像や動画を扱う人は最低でも『GTX675MX』が欲しい
• 予算が許すなら『GTX680MX』を搭載しておけば後悔しない

となります。